応募者の発言に反論することの意味@面接官トレーニング

<スクリプト> 

面接官「あなたが今まで生きてきた中で一番誇りに思っていることは何ですか。」

応募者「そうですね、高校でのクラブ活動や大学でのサークル活動で良い仲間にめぐり合えたということです。」

面接官「ん~、それがあなたの一番の誇りなのですか。それって単に友達がたくさんできたというだけのことじゃぁないんですか。」

応募者「ですが、信じ合える仲間がたくさんいるということは私にとっての財産です。」

面接官「と言ってもクラブ活動などを通じての話でしょう。そんな人生を賭けた過酷な状況で得た仲間ではないですよね。やはり単に友達ができたという話にしか聞こえないのですが。クラブなどで一生付き合えそうな仲間ができたにしても、それは誰の身にも起こっている平凡なできことだと思うのですが。それ以外に何か誇りに思うことはないのですか。」

応募者「うん~~~、あ、受験勉強はかなり頑張りました。それで今の大学に合格したことは私の誇りです。」

面接官「それもピンとこない話ですね。○○大学は確かに有名大学で偏差値も高いですが、世界の大学ランキングでは全く評価されていません。教授の醜い派閥争いの話も聞こえてきます。発表される研究論文も少ないようですし。学生も、私の見る限りではそんなに学問に真剣に取り組んでいるようではなさそうですし。また昨今、テレビや新聞を賑わせた
不祥事にあなたの大学の学生が絡んでいますよね。そんな大学に入ったことが誇りなのですか。」

応募者「それらは私とは関係のないことです。」

面接官「でも、それは偏差値だって同じでしょう。○○大の偏差値はあなたの頑張りだけで決められたわけではありませんから。分かりました。次の話題に移りましょう。よろしいですか。まだ何か反論はございますか。」

応募者「いえ、結構です。次の話題をお願いいたします。」

面接官「・・・△△くん、大変すみませんでした。今、かなり意地悪なことを私は言いました。しかし、これは意図があってのことなのです。自分の言ったことに反論されたり、理不尽なことを言われた時に、あなたが冷静に対応できるか見たかったのです。こんな試した方をしたことを許してください。しかし、弊社での仕事ではどうしても何を言われても動じない根性が必要になってくるのです。」


<注釈>

 学校の先生や子育てする親の、子供への叱り方として次のようなことがよく言われます。すなわち、理性を持って叱りなさい、感情をもって叱ってはいけません、と。子供のことを想い、子供にどう言えば良い方向へと進むのかという冷静な計算の元で、子供を怒るのは構いません。しかし、自分の嫌悪感という感情で子供を怒ると、子供は敏感にそのことを認識し反発してきます。怒ることが教育上の逆効果になるのです。
 世間で言うところの圧迫面接というのは、感情をもって子供を叱っているのと同じです。面接官の不快感をそのまま言葉にして応募者に投げつける、これを圧迫面接と言います。もちろん、不快な若者はいますが、そこは大人として冷静に受け流すべきです。
 このスクリプトのように、最後になぜそんなキツイ質問をしたのか、その意図を説明し発言を謝罪するというフォローがあれば、それは圧迫面接にはなりません。そして、このような圧迫面接ではないが「応募者にプレッシャーを与える質問」こそ、応募者の本質を見ることにつながります。
 こういう形で何か応募者が自慢に思っていることを言わせてあえて反論してみてください。反論は論理的で事実を踏まえたものが一番ですが、少々理不尽でも構いません。そうして、応募者が冷静沈着に対応するか、ストレス耐性があるか、根性があるかを見てください。


大学への評価で前向きな姿勢かどうかが分かる@面接官トレーニング
時間にルーズでないかどうかをチェックする@面接官トレーニング
大学での学業は詳しく尋ねるべき@面接官トレーニング
キャリア・ビジョンを尋ねたいのなら@面接官トレーニング


面接官トレーニング講座・面接官研修
 ⇒ 饗庭 悟(アエバ サトル/AEBASATOL)へのお問い合わせはこちら、または aebasatol@yahoo.co.jp 

プロフィール

饗庭 悟 : AEBASATOL

Author:饗庭 悟 : AEBASATOL
自己紹介

☆お問い合わせは
aebasatol@yahoo.co.jp

カテゴリ