自分の意見が差別化されるための思考と準備@推薦・AO:小論文・面接

 高校生諸君でも『風が吹けば桶屋が儲かる』という言葉をご存知なのではないでしょうか。
 これは江戸時代にできた言葉で、因果関係が重なって、ある一つの出来事が思わぬ出来事につながっていく様を表しています。『風が吹けば~』に関してはこんな具合です。

 大風が吹く 
→ 砂や埃(ほこり)が舞う
→ それが目に入って失明する人が増える
→ 失明した人は三味線弾き語りを職業とする
  (按摩とともに江戸時代における盲人の一般的な職業)
→ 三味線の特需が生まれ、それに伴って三味線の材料である猫皮が大量に必要となる
→ 猫が減り、天敵のいなくなったネズミが増える
→ そのお陰でネズミにかじられる桶が増える
→ 新しく桶を買う人が増え、桶屋が儲かる



 実はこの言葉の背景にある考え方は小論文を書く上での参考になります。
 すなわち、このようにAという原因がBという結果を生み、そのBが今度は原因となってCという結果を生み、そのCが原因となって・・・と因果関係をつなげていくという考え方は、小論文に必要な思考の深みを生みます。

 思考の深みを生むもう一つの方法は言い換えをどんどん行っていくことです。難しく言えば「定義づけ」を繰り返すという方法です。
 たとえば、皆さんは『大学受験生』です。ということは、『一生懸命に勉強する人』です。ということは・・・という形でつなげていきます。

大学受験生 = 一生懸命に勉強する人 = 知識をたくさん身につける人 = 広い視野を持つ人 = 豊富な知識と広範な視野を武器に思考できる人 = 思考できるが故に悩む人 = 悩んだ上に良い選択をする人 = ・・・




 小論文試験というのは知識を問う試験ではありません。もちろん知識は必要ですが、問うているのは「もっている知識をもとに考え、そして自分なりの意見をもてるかどうか」であります。
 ということは、ここでどうしても必要な力、つまりで小論文試験で合格する力として、

他の受験生と差別化できる意見を持つ力

ということになります。先ほど「もっている知識をもとに考え、そして自分なりの意見をもてるかどうか」と言いました。それは「知識 → 思考 → 意見」という順序を示しています。すなわち、「他の受験生と差別化できる意見を持つ力」をもつためには思考力が必要になります。
 その思考力を身につけるためには、最初に紹介した
因果関係でつなげていく
そして
言い換えでつなげていく
という力が必要になります。
 浅い考えとか、短絡的な思考と呼ばれる状態、つまり考えていない状態というのは、この記事でも何度か出ている『 → 』、これが少ないということです。短絡的というのは『 → 』が少なくて、思考の距離がまさに短いのです。

 人間というのはそれが国であれ学校であれ企業であれ、一つの集団に所属していれば、そこに有る文化に染まってしまいます。同じ文化の中にいる人々は、当然周囲に有る世界が同じなのですから、同じような発想になってしまいます。
 ですが、一方でそれぞれ個人には各々人生の中で積み上げてきた経験・思考・感情、そして学びがあります。
 すなわち、日本の高校生であれば同じ文化の中で同じような教育を受けてきたわけですから、「最初の発想」は似たようなものになるのですが、思考を深めれば個々人の歴史が頭の中に現われてきて、生まれてくる意見に個性が滲み出ます。

 さきほど小論文には他人と差別化される意見が必要だと言いました。もし、差別化した意見を書かなかったなら、それはその人が何も考えていないことの証となります。誰しも言いそうな月並みな意見なら、日本の文化の中に住んでいれば日常から接しているわけで、それは誰でもいえるわけです。それは当然あまり考えずに発した意見ということになります。すなわち、自分が思考力のあることの証になりません。

 ですから、小論文で問われる思考力を示すためにも、その帰結である「他の受験生とは差別化される意見」を結論部分に書かないといけません。そのためには小論文の試験で慌てて書き始めず、じっくり思考を進めてから(『 → 』を増やしてから)書き始めないといけません。じっくり思考を進めるとは、つまり

「因果関係」と「言い換え」で思考をつなげていく

ということです。
 これができるようになるためには日常から「因果関係」と「言い換え」で考える習慣がないといけません。考えをスグに止めないようにする、そのことを意識して生きていかなければなりません。

 そして、もう一つ肝心なこと。このブログでも講義でも何度も繰り返してますように、語るためにはその中身を頭に仕入れないといけません。先ほど示した「知識 → 思考 → 意見」の「思考 → 意見」を進めるためには「知識 → 」がないといけません。いくら小論文の段落構成の仕方、この記事で紹介した思考の仕方を知っていても、そもそも知識をもっていなければ、思考することも言葉を発することもできません。料理の仕方を知っていても食材を仕入れなければ料理はできません。
 ですから、小論文を書く練習よりもその中身を仕入れることの方が大切とは何度も繰り返し述べたことですが、当記事の内容に関連して付け加えるなら、中身を仕入れる際に、知識だけでなく文章表現やその前提となる思考法も仕入れたらいかがでしょう。
 小論文の勉強をする際に模範論文を写す学習が有効なのは、それが理由です。もちろん丸写しするだけでなく、思考や文章の工夫を感じ取りながら写す。筆者の思考をたどって自分が思考するから、知識も文章技術も思考法も自分のものになるのです。


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