小論文は新聞を読んでいれば大丈夫?@推薦・AO:小論文・面接

 『次のオリンピックはどのようなオリンピックになるだろうか、具体的に意見を述べよ』と、あなたが求められたとします。

 もし、この課題がオリンピック開催地の招致活動中の時に出されたものなら、どうでしょう。開催地も出場選手もスポンサーも、何も決まっていない段階で『具体的に述べよ』と求められたらどうしますか。

 この招致活動という「ストーリー」が完結していないときに、次の「ストーリー」となるオリンピックがどうなるかを述べるのはとても難しい。もし、あなたがそう感じたら、あなたは招致活動中という現在進行形の「情報」しか持っていないということでしょう。今どこが開催候補地として挙がっているかなどのタイムリーな「情報」しかもっていないということでしょう。「情報」は「次のストーリー」を語るのに必要な要素ですが、それだけでは具体的に「次のストーリー」を述べるのは困難です。

 ですが実際には、あなたは『次のオリンピックはどのようなオリンピックになるだろうか』を述べることができます。なぜなら、過去のオリンピックを知っているからです。「完結したストーリー」を知っているからです。それを元にある程度具体的に予想を述べることができます。過去のオリンピックがどうだったか、その「完結したストーリー」に詳しければ詳しいほど、次のオリンピックについて具体的に述べることができます。
 もしあなたが、オリンピックというものがそもそもどういうもので、過去にどういう経緯があったかを全く知らなければ(または、有り得ない話だが、オリンピックが今回で第一回目だったら)、ほとんど何も語れないでしょう。現在進行形の完結していない「ストーリー」に関する「情報」をもとに、薄いことしか語れくなるでしょう。

 <新聞>は現在進行形の未だ完結していない「ストーリー」を扱っています。その時のその時の「情報」を扱っています。それは「新しく生まれた知識」ではありますが、「積み重ねられた深い知識」ではありません。
 「積み重ねられた知識」は「完結したストーリー」の中に「眠って」います。「ストーリー」全体を見渡して、何が重要でどんな風に体系付けられて(=知識同士がどんな風につながっていて)、どういう解釈が可能か、それらが整理されて並んでいます。それは<書籍>の中に、目次という「知識項目がとても整理された枠組み」をつけたうえで、蓄えられています。

 <新聞>は現在進行形の未完結のストーりー、「新しい知識」。
 <書籍>は積み重ねられた完結したストーリー、「体系的な知識」。

 これらは小論文を書くうえでの「両輪」、いや正確には「前輪」と「後輪」です。では、動力がついている「後輪」はどちらでしょうか。知識の厚み深みを考えれば、<書籍>こそが「後輪」であるとあなたは意識しなければなりません。


 私は頻繁に受験生からこう質問されます。

『小論文の書くネタを集めるのに、新聞を読んでいれば大丈夫ですか?』

 この質問は小論文を書くのに「ネタ」が必要だということが理解できているだけでもまだ良い方です。本当は、必要どころか、「ネタ集め」こそが小論文対策の命だということは、また別の記事で説明します(私の講義を受けてくださった方には何度も言ってきたことなので、ご理解していただけていますよね)。
 さて、この質問の『新聞を読んでいれば大丈夫ですか』ですが、これは「新聞だけを読んでいれば、それで十分か」という意味でしょう。(加えて「読むだけで」という意味もあるでしょう。)
 
 「だけ」「十分」という語を付け足せば、あなたはスグに理解できるはずです。これに対する返答は「ノー」であるということを。

 あなたは、そして受験生の誰しもが、合格を、試験での「生き残り」を、望んでいるはずです。しかし、試験に1倍を超える倍率が発生する以上、誰かが生き残り、誰かは生き残れないのです。
 <新聞>を読むことは良いことです。しかしながら、生き残りを心底から望んでいるのなら、それ「だけ」で「十分」という発想が生まれることは無いはずです。


注)1.本当は「読むだけ」という発想も生まれないはずですが、それはまた別の記事に譲ります。
 2.「書籍」というのはもちろん本のことですが、本屋さんの参考書コーナーに並んでる一連の「小論文ネタ本」も含みます。あなたにとって読みやすいものを、あなたの志望学部に合わせて読んでおいた方が良いでしょう。


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