スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

リスク

”2012年度”公務員試験に勝つために知っておいてほしい
公務員試験受験生であることのリスク


 2011年度の大阪府警の一次試験はゴールデン・ウィーク後、5月8日の日曜日だ。それで、最終の採用の可否が出たのは真夏、8月5日金曜日だった。
 同じく大阪府警察行政の試験が6月26日の日曜日。最終の結果が出たのは晩夏の8月25日の木曜日。
 警察行政の一次試験と同じ6月26日に、地方上級・市役所A日程一次試験が行われた。大阪府北摂のとある市では最終の発表が9月14日の水曜日。
 国税専門官の一次試験は6月12日の日曜日。最終の発表が8月19日金曜日。
 俗にC日程と呼ばれる市役所の試験は9月18日の日曜日に行われる。大阪府の(募集人員の多い)とある市での最終発表は12月中旬だ。

 次に、一般行政系志望者、俗に公務員志望といって普通にイメージされる人たちの、2011年度よくある一次試験の受験日程は以下の通り(冷やかしや模試感覚の受験も含む)。
〔↓毎日曜日の日付〕
5月8日 警察官 or 東京都や特別区
5月15日 国立大学法人等職員(一応、これも公務員扱いにしておく)
5月22日
5月29日 裁判所事務員
6月5日
6月12日 国税専門官 or 労働基準監督官
6月19日 国家Ⅱ種(来年からは国家一般職)
6月26日 地方上級・市役所A日程
7月24日 市役所B日程
9月18日 市役所C日程
※10月以降も、わずかながら市役所や学校事務などの試験がある。

 さて、上記の日程をご覧頂ければ分かるとおり、公務員になるための受験機会は最大8回しかない。しかも、5月8日の警察の試験は行政系の人にとって本気で手を出しにくいし、首都圏以外の人にとって東京都や特別区も本気で手を出しにくい。裁判所や国税などの専門官を受けるには、憲法論文や会計学などの科目を余計に増やさないといけないのでハードルが高い。上の表以外にも、国会図書館・航空管制官・刑務官や公益法人などもあるが、試験・勤務内容の特殊性、採用人数が極少などを考慮すれば、やはりハードルが高い。すなわち、『なんとか公務員になりたい』と思っている大半の人にとってチャンスは

国立大学法人など職員+国家一般職+(地方上級・市役所×3)で5回

しかない、ということだ。ただ、公務員の約8割は地方公務員という現実を素直に受け取れば、

実質的には3回

しかチャンスはない。しかも、10月以降の試験は採用人数が極少数なので当てにはならない。


 さらに最初に書いたように、公務員試験は1回の試験が始まって採用が出るまでに2~3ヶ月を要する。地方公務員の場合、最終結果が出るのは早くても8月下旬。12月上旬まで結果待ちという人も結構いる。公務員試験全体では、一次試験から最終発表まで5ヶ月前後。その期間は1試験につき1~2回の面接以外は、就職活動そのものは何もできないことになる。
 民間を併願するにしても、公務員第一志望で考えるなら、春は活動しづらい。地方上級一次試験までの一次試験の結果が全滅で、公務員に見切りをつけたとしても、民間の就職活動は早くて7月から。一番遅い時期だと年明けからとなる。
 民間を全く併願しないとなると、上記のように受験する機会は4~5回。これを民間にたとえれば、4~5社しかエントリーしないことになる。民間志望者がこの10倍もエントリーしていることを考えれば、以下に少ないかがわかろう。
 その4~5程度しかない志望先の採用倍率は、一次の択一試験で3~5倍、あとの面接などが2~4倍で、トータル6~10数倍というところが多い。技術系ならともかく、一般の行政系志望なら、この倍率の中で戦うことにある。

 すなわち、公務員試験受験生は浪人するリスクが非常に大きい、ということだ。

 新卒であれ転職者であれ全ての2012年度公務員試験受験生に言っておきたい。公務員の試験勉強を始める際、まず浪人=再来年も受験するかどうか、そもそも経済的にそれが可能なのどうか、近親者とよく相談するべきではないのか。
 仮に浪人が可能だとしよう。それでも再度の受験の際は、民間も考えねばなるまい。公務員試験は、司法試験などの資格試験ではなく、採用試験だ。すなわち、点数ではなく、適性や相性で決まる。一次試験は浪人すればパスすることもできようが、二次試験以降は別問題だ。何年受験しようとも、一次試験や司法試験以上に、受かる保証はない。
 そもそも民間志望者だと、いくら憧れの大手企業でも、浪人してまで再チャレンジしようする人はほとんどいない。が、公務員では浪人が少なからず発生し、同じ志望先を再度受験する。なぜ、このようなことになるかのか。それは公務員というブランドの威力もあろう。が、根本的には一次試験ばかりに目が行き過ぎて、資格試験や大学受験と同種のものと勘違いしているからだ
 この一次試験に目が行き過ぎるというのが、またリスクになる。いざ民間を受けるとき、SPIなどは択一試験対策をしているぶんだけ公務員受験者は有利なのだが、面接や討論となると圧倒的に対策が遅れていて、民間志望者に太刀打ちできない。
 2次試験以降の十二分な対策は、このようなリスクを回避することになる。ましてや、市役所では昨今人物テストを重視していてるところが多い。民間志望者が何ヶ月もかけて、企業に認められる社会人としての姿勢・能力を身につけようとしているのを鑑みれば、公務員志望者とて2次対策に長い時間をかけねばなるまい。

 公務員。このブランドの威力は日本では凄まじい。もし、あなたが民間・公務員両方の内定をもらっていて、どちらにしようか迷っているといえば、周囲の人は、特に親世代は、間違いなく『絶対に公務員にしろ』と助言するだろう。本人の相性や、今後の公務員の待遇の変化(政治的リスク)など、全く考慮せずに。大学は、特に中堅私大は、公務員が就職先として実績となるので、学生が試験にチャレンジするのを歓迎する。予備校は言うに及ばずだ。
 このような『公務員はいいぞ!だから試験に挑戦しろ』と煽っていく風潮のなかで、ともすれば見落としがちなのが、公務員試験受験生であることのリスクだ。物事には必ず二面性がある。どんな事柄にも陰陽がある。本気で公務員になりたいのなら、物事を公平に見るその職柄からして、負の面、マイナス面にも目を向けねばならないのではないか


 私は思う。志は、現実を直視する能力によってのみ、保たれる。


 大学や予備校があなたを公務員に駆り立てるのは仕方ないことだ。彼らだって生き残るのに必死なのだから。そのために公務員の役得を十二分に知らせる(ひょっとしたら親もそうかもしれない)。だったら、あなたも生き残りにもっと必死にならなければなるまい。
 このリスクが大きいという現実を直視していながら、それでも公務員を目指すという強いハートがあるからこそ、この厳しい戦いを生き残れるのではなかろうか。リスクを知っているから、この公務員試験の戦略の設定にも、ダメだった場合の人生設計の構築も、必死になれるのではないか。そして、だからこそ勝てるのではないか。

 もう一度言う。まず、このリスクが現実のものになった時、もう一年浪人することが精神的・経済的に可能かどうか、それをよく考えよ。そのうえで、公務員試験受験ではなく、あくまで就職活動として全体の戦略を考えよ(官・民併願の具体的戦略については機会を改めて述べる)。そうして初めて、公務員試験の戦略は考えられ得る(私の著作『ローテーション法』も参照せよ)。就活ワークショップはこれらのリスクに対応していることを付記しておく。そこですら、この厳しい現実を目の当たりにしているからこそ、この記事を書いているのだ。
 どんなに綺麗事を言っても、公務員を目指す最大の動機は、身分的・経済的安定を手に入れることだ(もちろん、そうでない人もいる)。「安定」とはリスクがないということだろう(リスクがないということは選択の余地がないということでもあるが)。だが、「安定を求める」という行為そのものには多大なリスクが伴う、ということも知るべきではないのかね。落とし穴に落ちる人間は、その落とし穴の存在を知らないか、または「あること」はなんとなく意識していても「正確な位置」を知らない、知ろうとしない人間だ。
 勝つ資格のある人間、生き残る嗅覚をもつ人間とは、落とし穴の正確な位置を知っていて、全力でその穴に向かって走り、そして飛び越える人間なのではないのか。リスクを正確に把握した上で準備しているから穴に落ちずに済む。そのことをよくよく認知すべきであろう。

(了)
プロフィール

饗庭 悟 : AEBASATOL

Author:饗庭 悟 : AEBASATOL
自己紹介

☆お問い合わせは
aebasatol@yahoo.co.jp

カテゴリ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。