組織が言う採用の「決め手」なるものの正体@「就活ワークショップ」※公務員も該当

 就活生が内々定を獲得した時、採用側にその理由を尋ねると、
『ウチで働く君がイメージできた』
というような意味合いのことをおっしゃる方が多くいます。今回の記事はそのことについて考えてみたいと思います。
 そこに、早々と内定を獲得する人、3ヶ月以上経過しているにもかかわらず一つも内定が取れない人、その両者の差が見えてくるかもしれません。

 ここでは内定が一つも取れない人と言っても、エントリーシートの段階や一次の集団面接辺りで落ちる人を除いて話を進めます。そういう人たちは就職活動の「いろは」の「い」すらわかっていない、全く基本を外してしまっている、珍しいくらい落ちる原因が明確であるということで、ここでは言及しません。第一、そういう人はこの記事を目にすることはないでしょうから。

 ここでは最終選考やその一歩手前まで進んでおきながら、内定獲得までに至らない人について考えます。そういう人たちには何が欠けているのでしょう。

笑顔が足りないのかもしれません。仮に作り笑顔だったとしても、瞳からきちんと笑っていれば、対している人は好感をもつものです。
どこか可愛げが無いのかもしれません。良いことではないのですが、採用側はどうしても応募者を上から目線で見てしまいますので、部下として可愛げがありそうな人をつい採用してしまいます。つまり、自分を上の者として立ててくれそうな人です。
逆に下手に媚びているのかもしれません。採用担当によっては、媚びてくる人を器の小さい人として排除してきます。
日常生活がだらしないのかもしれません。例えば忘れ物をよくする、など。本人はなかなか気付きにくいのですが、自分の普段の行いは知らず知らず漏れ出ているもので、それを面接官に見透かされているのでは。
人柄の良さは伝わるが、何を言っているのかよく分からない、と思われているのかもしれません。気持ちの弱い人は発言内容をまとめることができなかったり、そもそも緊張して発音が不明瞭になったりします。それが使えない人材との印象を与えているのかもしれません。
執念が感じられない、と思われているのかもしれません。相手に喰らいつく力強さを、男女問わず若者には求められる傾向にあります。絶対ここで働くんだ、という思いを伝え切れていないのかもしれません。

 以上、とりあえずいくつか挙げました。もし、あなたに該当する項目があれば改善した方が良いでしょう。
 と、そこまで書いておいて言うのも申し訳ないのですが、実は、私の見聞きした範囲では、以上の要因が敗因の一つとしてあるにしても、不採用の「決め手」にはなっていないように思えます
 特に最後の『執念』については、そう思います。実際、応募者が本心から第一志望の組織を受けて、採用側もそのことを十二分に信用していながら、最終面接で落選という話はよく、本当によく聞きます。

 では、一体何が採用・不採用を分けているのでしょう。

 人事担当の人や就活関係の人はよく『最終選考、それに近い選考で落ちるのは、採用の「決め手」がないからだ』と言います。では、「決め手」とは一体どういう性質のものなのでしょう。

 私は当然のことながら、自分が助力した就活生が内定をいただくと『向こうは君の採用理由を何と言ってきているか』と尋ねます。
 しかしながら返ってくる言葉の中で、採用理由を明確に言語化できている企業・官公庁は本当に少ないです。何回も面接しておきながら、『根性が有りそうだから』とか『何となく印象が良かったから』の一言で採用理由を済ませる組織があるのには驚きです。中にはきちんとした文面でフィードバックしてくれる企業もあるのですが、そういう組織は文字通り「有り難い」です。

 こういう状況を踏まえますと、本当は採用側も採用の「決め手」が分かっていないのではないか、少なくとも言語化できるほど明瞭ではないんじゃないか、という疑いが現実味を帯びます。

 そこで思い出されるのが冒頭に紹介した『ウチで働く君がイメージできた』という採用側のコメントです。

 もう少し詳しく言うと『君が○○という部門で○○の業務についてるのが想像できた』とか『ウチは○○のような人を相手にすることが多いが、そういう人と渡り合っている君の姿が浮かんだ』というような話です。

 この類の話を本当によく耳にするということは、多くの組織にとってこれは本音なのでしょう。これを採用の「決め手」と呼んでいいと思います。
 ということは「決め手」って何なのかと言うと、採用側が普段働いている職場の「空気」と応募者の持っている「空気」が合っているということ、職場にいるスタッフと似ている人、類似性のある人を採っている、そういうことになるんじゃないでしょうか
 もちろん、どんな組織でも多様な人材を欲しています。しかし、その多様さには一定の限界があるのではないでしょうか。
 たとえば、家族といえども父母子や兄弟姉妹の間で、性格や好みは様々、多様性があります。でも、品格とか、考え方の方向性とか、どこか似ている部分が有るのも事実でしょう。

 ということは、採用の「決め手」とは応募者に家族的類似性あるかないか、になるんじゃないでしょうか。

 そうなると、早々に内定を決める人と何ヶ月もかかる人との差は、自分と家族的類似性をもつ組織に出会えたのが単に早かったか遅かったかだけの違い、と言えるのではないでしょうか。
 そう考えると実際に説明が通る現象がいくつかありますが、それは別の記事に譲ります。

 さて、このブログはあくまで、現実的にどう動くのか、実際にどんな言葉を発すれば効果があるのか、それらを追求するのが趣旨です。以上のことを踏まえて、あなたはどうすればよいのでしょう。
 2つのうちどちらかでしょう。
 ひとつは、あなたと家族的類似性のある組織を探し、そういうところばかり応募する。
 もうひとつは、どうしても内定を獲りたい組織がある場合、そこのスタッフと「同じ匂い」をもつよう、今から無理やりにでも家族的類似性を身につける。

 前者の場合、やはり「仕事のリアル」を感じるべく、職場・現場に何度か足を運ぶということになるでしょう。応募先全てに何度も足を運ぶのは現実的ではありませんが、少なくともあなたの方から「自分と同じ匂いがする」ということを、家族的類似性を、そういった相性を感じる可能性が予想されるのなら、そういう組織に絞って、その自分の「嗅覚」が正しいかどうかを確かめに、見学に行っても良いでしょう。

 後者の場合は、志望先から何人かモデル社員を見つけて、その人の言動を今から身につけるのが良いでしょう。モデルは、パンフレット・HP・OB/OG訪問・そのOB/OGの紹介、などで見つけられると思います。複数見つけたら、その人たちが普段どんな考え方をし、何に気をつけてどんな発言・行動を取っているのかメモして、後はあなたの日常生活の中で可能な限り、マネをしてみることです。

 そして、そんなマメな努力そのものが採用の「決め手」になるんじゃないでしょうか。


「同類は惹かれ合うもの、同じ匂いを身にまとえ」


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