民間併願の隠れたメリット@「就活ワークショップ」(公務員)

 公務員志望者が民間企業を受けることをお勧めしない人は多くいます。負担の重さ、とこの一言だけを言えば公務員志望者であるあなたにも、そうでないあなたにも詳しい説明は不要でしょう。

 この民間併願を『お勧めしない人』が、公務員試験のための予備校の関係者なら、本音はこうかもしれません。
『民間を受けて内定を取ってしまったら、公務員試験を全て落ちた時に民間企業へ就職してしまう。そしたらウチの成績にならないのはもちろん、浪人もしてくれない。そうしたらあと一年、ウチに通ってくることもないし、業界全体でお客様も回せないじゃないか!』
 要はお金にならないということですが、これ自体は民間企業として当然の発想で、何ら非難されることではありません。真っ当なサービスさえ提供していれば、ここは責めてはいけないところです。むしろ、サービス一単位につき明確に対価をいただいているわけですから、お金を払ってもらったことに対する責任は民間企業では厳格です。
 そう、『民間企業へ就職するより公務員になった方がいいぞ』と勧める予備校自身は、民間企業なんですね。

 さて実は、予備校関係者でもこのような民間的発想をせず、本気で、



 もう一度言います。本気で、負担の重さを理由に官民併願をお勧めしない人がいます。
 お勧めしたとしても、それはあくまで公務員採用選考の2次試験以降にある面接の「練習」、そういう意味合いで『民間を受けてもいいよ』と言うのです。

 しかし一方で、以下のような事実があります。これは公務員志望者、採用する側双方から得た話です。

公務員志望者『面接で、民間企業の内定を取っていると言ったうえで市役所の志望理由を改めて言うと、面接官の眼の色が変わる』
採用する側『ズバリ言って、民間企業でも通用する人材が欲しい。公務員にしかなれないような人は要らない』

 これは双方とも複数の人から得られた話です。面接で『他で内定を取っていると言うと面接官の眼の色が変わる』というのは民間企業でも同じなのですが、官公庁の場合は特に面接官の食いつきが違うようです。
 採用する側の『民間に行っても活躍できる人材を』という願いは、民間企業に優秀な人材を奪われているという危機感の表れです。
 事実として従来の教養試験などを一次試験で課すのを止めて、SPIやエントリーシート選考などを一次に採り入れて、民間志望者にも目を向けてもらおうとする自治体は毎年のように増えています。東京都でも2013年時点で、従来の一次試験を残す一方、それを課さない採用枠を設けました。
 民間企業経験者を集めるためのキャリア採用枠も年々増えています。
 少なくとも自治体職員については、「民間でも働ける人」を求めているのです。ということは、すなわち、

民間で内定を取っているのは有利

ということになります。
 このことをどう捉えるべきか、実際に実現可能なのかという話はまた別の記事に譲りますが、少なくとも民間でも働ける能力を持っている人を優先的に取りたがっている自治体が増えているのは事実です。

 本当に民間企業を併願するのかどうかは、公務員の「どの辺り」を中心に考えているかにもよりますし、そもそもキャリアというものをどういう風に捉えているかにもよりますし、シビアなことをいえば、志望者の経済的状況にもよりますので、一概には判断できません。
 ですが、官民併願のメリットは、面接の練習やスベリ止めといった意味合い以上のものがあるということは知っておくべきでしょう。2次試験以降の人物テストに対して、攻めの姿勢を持ちたいのなら、知るだけでなく実行してもよいのでは。
 何せ、あれだけ勉強して得た一次試験合格という成果も、2次以降でこけて採用されなければ、無意味となりますから。


「事実への直視が何をすべきかを教えてくれる」


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